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世界に誇る日本アニメ産業問題のまとめ

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ここ2年くらいでアニメを良く見るようになりました。

「サザエさん」「ドラえもん」「ドラゴンボール」といった様な王道の物は幼少の頃見ていた訳ですが、それらと比べると今見ているものは随分と色が違いますね。

到底小学生には理解できない内容ですねと。

知り合いの3歳児の姪っ子の話ですが、家に遊びに来るたび「アンパンマン」の録画した物を見るんだそうです。何度も。単調的で短絡的、ステレオタイプな内容ですが(だから)子供は大好きなんですね。

元々アニメには興味が無かったというより、大衆アニメしか知らなかった(さらには放送時間的に厳しい・・ゴールデンタイムだとしても深夜枠だとしても)のですが、ちょっとした理由で会社で「攻殻機動隊」の1部が放送されていました。

それを見かけた時「あ、すごく綺麗」というのが私の印象でした。

まぁそれから色々あったのですが私個人の話は置いておいて、社会の流れを追って行って見たいと思います。

アニメ産業の破綻

最近やたらと、アニメ産業についてのニュースを目にします。

休みなしで原画を200枚描いても月数万円、社会保障や退職金もない--。アニメ大国と言われながら、長時間労働と低賃金で人材離れが進むアニメ制作現場の労働環境

ベテランのアニメーターも老後の不安を抱える。人気アニメ「あしたのジョー」の作画監督として有名な金山明博さん(68)は「40年近くアニメの世界にいたが、契約社員として働くことが多く、退職金ももらえなかった」と振り返る。

低賃金で1日12時間激務、残業代も医療保険もなし…「せめて普通に暮らしたい」

日本アニメーター・演出協会:アニメ大国悲鳴 労働条件改善要求、現場社員ら設立

いやぁ・・・

日本のアニメは世界的に高い評価を得ているが、その労働環境の現実は厳しい。ちょっと古いが、読売新聞に2005年に掲載された数字を引いてみよう。労働時間は1日平均10.2時間で、月間労働時間は推計250時間。しかしアニメーターの年収は100万円未満が73.7%を占めているという。

Business Media 誠:山口揚平の時事日想: 世界に誇る日本のアニメ産業を救え

いくらなんでも労働時間と年収が釣り合わなすぎるのではないでしょうかね。

どうしてこうなったの?

ビジネスモデルがいけないのでしょうか。

「アニメーション産業の現状と問題」(経済産業省.pdf)というファイルがあるので興味がある人は見てみては如何でしょうか。随分古いですけどね。

以下様々な切り口からの考察を引用しました。

CMが一番ふんだんに制作費をかける、テレビ番組そのものは作ってもあまり儲からない、のだそうだ。CMに富が集中している、という構造がどうもあるらしい。

テレビにおいては、スポンサーから出るお金が一番上流にあり、そこから広告会社→CM制作・番組制作→芸能プロダクション・制作会社・・・と流れていくのだから、食物連鎖の一番上に位置する広告会社およびCMにお金が一番流れる、というのも、ある程度仕方ないのか、とも思うが、さすがにどうも「尻尾が犬を振っている」ような、アンバランスな感じがしてしまう。

そして日本の場合は、新聞もテレビと資本でつながっているし、また大作映画も最近はテレビ会社と広告会社が出資している。主要な映像・ニュースメディアが、CMを頂点としたエコシステムにすべて従属する構造になっているわけだ。

Tech Mom from Silicon Valley | CMに富が集中する、日本のメディアのエコシステム

※↑アニメに限らず映像メディアについてのお話です。

通常の事業では、売上とともに利益が伸び、キャッシュが生み出され、そのキャッシュを再投資することで事業が拡大する。ところが日本のアニメ産業では、利益の伸びに対してキャッシュが増えていかない。なぜならばアニメ制作では、投資から回収までのスパン(期間)が著しく長く、そのため必要な運転資金が極めて大きくなるからである。

アニメ制作では、企画から実際の制作、そして放映して回収までにかかる期間が極めて長く、場合によっては5年、10年とかかることもある。その期間は、小規模な制作会社へ運転資金を供給しなければならず、キャッシュフローが圧迫される。つまり事業を拡大すればするほど、多額の運転資金が必要となるビジネスモデルなのだ。

Business Media 誠:山口揚平の時事日想: 世界に誇る日本のアニメ産業を救え

それともアニメの内容でしょうか。

やはり手塚治虫以来の、漫画(アニメ)における「ストーリー重視主義」が諸悪の根源だと、ぼくは思う。いくら面白い・よく出来ている話であっても、そのキャラクターが書いてある商品グッズに人は金は出さない。商品化権・キャクター権なんて、やはりこれも一部の例外はあっても、TVで放映されている8~9割のアニメには無駄な権利なんだな。関係あるのは東映動画とバンダイぐらいなものです。トヨタもソニーもJALも、そんなに関係ない。

アニメ制作者・製作者にもう一度、ビジネスモデルとしてのアニメを再考する気があるのなら、まず第一に普通の人には見分けがつかない萌え絵・オタク絵から離れて、「バカでもうろおぼえでそのキャラクターがマネして描けるキャラ」でアニメを作ってみる、というレベルのところからはじめる必要があるような気がします。

愛・蔵太の少し調べて書く日記 | [漫画]アニメ—-破綻したビジネスモデル

※↑著者の方はストーリ重視のアニメ好き。

一部の精神的な発達に障害を持ったまま大人になったアニメ好きな人物に受けるだろうと思われるような登場人物や世界背景、キャラクターデザイン等味付けが濃すぎて食材が持つ風味も何も残っていない食べれば食べるほど健康を害するようなジャンクフード的なアニメ作品が多すぎて、普通の子供には消化も理解も興味も持てない結果が今のアニメ離れに繋がってるのではと個人的には思います。実写か2Dかは子ども自身には大した問題じゃないかと。

Tech Mom from Silicon Valley | 「非現実」がアニメの独壇場でなくなると・・・[コメント欄より]

確かにそういった一面もあるんでしょうね。

社会、環境の変化もありますよね。

アメリカでは「KAGOY(Kids Are Getting Older Younger)」現象と呼ばれる、昔よりも子供が早く玩具を卒業する傾向がある。以前読んだ新聞の記事では、「昔は10歳ぐらいまではトイザラスの顧客、と思われていた」ようだが、トイザラスなどの玩具専門チェーンが経営不振なのは、ウォルマートのせいばかりでなく、こうした「子供の玩具離れ」が背景にある、ということだった。

Tech Mom from Silicon Valley | 「非現実」がアニメの独壇場でなくなると・・・

技術の進歩で誰でも映像データを編集できるようになりました。

無料で映像コンテンツを視聴できる環境がネット上で整っています。

恐ろしいのはコチラの資料。
ULTIMO SPALPEEN: 各国語のファンサブは、どれくらいの時間で配布されているか――アニメ秋新番での調査

これらの事も関連しているでしょう。

これからはどうすれば?

何か打開策は無いのでしょうか。

ライツビジネスを伸ばす必要性は明らか

アニメ産業がこれからフリー・キャッシュフローを増大させてゆくためには、支払いまでの期間が長いメディア事業だけではなく、エリア展開が可能で運転資金がかからず、追加生産コストが不要で 、キャッシュフローを創出する能力が大きいライツ(版権)ビジネスを積極的に伸ばす必要があることは明らかだ。

“版権から生へ”というトレンドに従うならば、収益化のもう1つの方向性は、作品中に収益モデルを組み込むことである。例えば、食品や消費財メーカーとタイアップし、あらかじめ作品中に商品を露出させることで、作品がコピーされ、氾濫するほど「間接的に」収益を確保するようなモデルがそれだ。

Business Media 誠:山口揚平の時事日想: 世界に誇る日本のアニメ産業を救え

「作品中に商品を露出させればいいのに・・。」と私も考えた事があります。
アニメの内容(世界観)と商品をどう見せたいかがマッチしないと難しいのかもしれません。

しかしながら意外に効果あると思うんですよ。

らき☆すた」の聖地巡礼で全国的、世界的に有名になった鷲宮神社だって、劇中に登場しなければあんなに絵馬が購入される事も無かったでしょう。

絵馬の話は金額の話ではなく、話題になるほどファンが動いたってことです。

灼眼のシャナ」において、何度もメロンパンが愛されている様子が伺えますが、現実の商標を登場させてたら全国的にちらほら存在するファンによって、メロンパンの売り上げが上がるのではないかと思っています。

WEBページに掲載されている広告の殆どは、光のスピードでスクロールされていると思いますので、広告を満たす確率で言ったらアニメ劇中に登場させるモデルも成立するのではないかと思います。

私はなかのひとでなければ、そういった業界の人間でもないので色々見えてない部分があるかもしれません。
下手なことは言えませんね。
もう言っちゃいましたけど。

作画崩壊とか続編が製作できないとか、そもそも業界が成り立たないとか、そういった方向に進まないように願うばかりです。

日本が海外に誇れる文化なのに

有名な話があります。

アメリカの大ヒット映画「マトリックス」は、攻殻機動隊の影響をかなり受けています。マトリックスの監督であるウォシャウスキー兄弟はマトリックスを製作するきっかけになったのは「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」だとはっきり言っています。たしかに、似ている部分がたくさんありますよね。マトリックスのオープニングは、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」とほぼ同じですし、ネットの世界という設定そのものも非常にマトリックスが影響を受けているのがわかります。

「攻殻機動隊」特集

これを聞くと、日本人って自国の文化を評価しない悪い癖があるのかなぁ等と考えてしまいます。

中国の子供たちの世界における動漫の位置づけは、1970年代までの日本のそれと似たような状況にある、と見てもいいのかもしれない。

NBonline | 中国”動漫”新人類

上記引用リンク先は中国の話ですが、日本のアニメが世界中から支持されているうちのひとつの事実です。(取り上げられているのは「名探偵コナン」、「クレヨンしんちゃん」、「スラムダンク」、「セーラームーン」等。)

知らなかったのですが、中国では2006年の9月1日からゴールデンタイムの午後5時から8時まで、外国アニメは一律に放映禁止になった、そうです。目的は国産アニメの奨励

日本政府も何か大きな対策を講じて欲しいものです。守るべき文化なのだとすると、税金投入だって考えていいと私は思います。ローゼン閣下に期待でしょうか。

まじめな話、WEB上の著作権を有するデータについての法律がきちんとしないと、どうにもならないですね。
「ダウンロード違法化」「iPod課金」──録音録画補償金問題、意見募集始まる – ITmedia News

関連リンク

痛いニュース(ノ∀`):アニメ製作者が、アニメの違法アップロード&ニワンゴに問題提起

アニメ産業とビジネスの情報 | 日本政府 米国政府にネット上のアニメ違法配信対策を要望

「要望」ってところが少し頼りない気がしますが、政府が動いてくれています。
ただ、「涼宮ハルヒの憂鬱」は米国で放送されていないのにも係わらず、DVD発売前から予約殺到だったって言うじゃないですか。慎重にお願いします。

2007-10-10 – WebLab.ota
主にP2Pと音楽の私的利用に関する問題へのリンクまとめ

追記 071029

日本のアニメ好きの台湾の方々が歌ってます。

せっかくだから台湾人258人で一緒に組曲『ニコニコ動画』を歌ってみた!

はじめまして、台湾 中央大学からの中央動画社(アニメ部)です。そのビデオは2007年10月14日の歌謡祭の映像です。その大合唱はスペシャル企画から皆様RECおkですよ、普通には主催者以外撮影禁止です。 元々10月6日のイベントですが、台風のため延期しました。修正後の会場放送用ビデオも用意しましたけど、少々作業ミスしたから10月6日ver.を放送しました(殴る再生+コメントは9999を超えば、会場放送用ビデオ10月14日ver.をうpします。今回歌謡祭のテーマは、美少女作品中心ですから、ロボットや熱血系アニメソングはあんまり多くない、すいませんでした。次回歌謡祭は2007年12月22日予定です、テーマは”未定”です それじゃ、お楽しみに~

せっかくだから台湾人258人で一緒に組曲『ニコニコ動画』を歌ってみた!

↓日本でももちろんです。

日本アニメ、愛されてますね。

追記 071031

様々なブログなどで(私も)「広告代理店等の中間搾取があるんじゃないか」と言っていますが、本当にすべてがそうなのか、疑問を投げかけている記事があったのでリンクを置いておきます。

プライムタイムのアニメと深夜アニメのビジネスモデルはまったく別 : ARTIFACT ―人工事実―

構造を理解すれば金銭の流れにおかしな点は無い、あるとしたらアニメの市場規模自体が小さい事だと。

ニセモノの良心 : テレビ局はアニメのお金の中抜きをしているか?

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