Dual Citizenship – 娘の重国籍について

フジテレビで放送されている「ザ・ノンフィクション」で韓国と日本の重国籍を所持する、女優・韓英恵さんのドキュメンタリーを観ました。彼女がどちらかの国籍を選択するに至までの様々な葛藤や、ハーフとしての自分を見つめる姿には、同じ境遇の娘を持つ身として感慨深いものがありました。

現在、日本の法律では両親のどちらかが外国籍の場合、その子は22歳の誕生日までに一つの国籍を選ばなければなりません。ハーフやクォーターと呼ばれている人達は、お母さんのお腹に命が宿った時から両国の血を受け継ぎ、それと同時にどちらの国の人間でもない、ダブルアイデンティティと言う運命の壁に立ち向かって行く事になります。

今までは国際結婚をした自分自身にフォーカスが向いていたけれど、ハーフの子供を授かった以上避けられない「選択の時」が今後多々出て来ると思います。更に私達の様に第三国に住んでいる場合、日常で使う言葉の選択よりも、娘が迷路に迷い込まない様にベストなアンサーを導いてあげられる客観性も親として必要になるのだなと、この放送を通して改めて思う事もありました。

話しを少し巻き戻して、韓英恵さんについて少しお話すると、彼女は22歳の誕生日に韓国籍を選びました。それと同時に日本の国籍は消滅します。

日本の国籍法では1985年以降父母両系血統主義を採用しているので、出生地に関係なく両親のどちらかが日本国民の場合、子もその権利が発生します。それ以前日本では父親が外国籍の場合は、その子に日本国籍取得の権利がなかったそうです。

逆に生地主義を採用す国(アメリカ、カナダ、ブラジル、フランス…)では日本のそれとは逆です。
ちなみに私が今いるU.A.Eでは父系優先血統主義を採用しているので、純血のアラブ人が多いです。
夫の国では重国籍が認められているにも関わらず、私が日本人なので、どちらにしろ22歳までに娘は2つの国籍のどちらかを破棄しなければいけません。

韓英恵さんも、このドキュメンタリーの中で「どちらかを選ぶ事はしたくない」と役所の人に訴えてはみるものの、答えはもちろん「これは法律ですから」それ以上でもそれ以下でもない反応です。
国籍係の窓口の方は日本人なので、彼女の “その深い思い” に触れる事はありませんし、実際にそう言った環境に身を置いた事もないのでしょう。
そのシーンを見ていて、そもそもなんで国籍を選ばなきゃいけないんだっけ?と本質的な所に戻ると私もよくわかりません。世界でも日本国パスポートは効力があると言われていますが、
国際化が進む中、ハーフや重国籍の人達が日本で活躍しやすいように、又、国籍を選択したが故に生活に支障が出ない様に、
更には人口減少に歯止めをかける為にも、この国籍法を少し時代に合わせて改正して頂きたいものです。
と、私もザ・ノンフィクションが心に響く年齢になりました。

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